fate
『もう年末って早いよねー。
仕事も慌しいしさ。
年末年始はどっか行くの?』
ほんと、時間が流れるのって結構早い。
でも、会えない時間は長く感じるんだよね。
「友だちと大阪にカウントダウンライブ行くよー♪」
沙耶と約束していたライブ。
大阪なら沙耶んちから電車ですぐ行けるし、運良くチケットも取れた。
『いいねー、楽しそう。
俺はそっちとこっちを行ったり来たりかも…。
彼女の実家にも行かなきゃいけないし――…』
聞きたくなかった。
彼女の家族とお正月を過ごすってことか。
結婚するんだし、それぐらい当たり前なんだろうけど。
「そう…なんだ。
次はいつ会えるかなー?
……新年祝賀会とか?」
明らかにテンションが落ちたあたしに、きっと困ってるんだろうな。
でもこの関係を始めたのは在原さんだから。
いつか終わりがくるときまで、ちゃんと相手をしてほしい。
『うーん、そうだね。1月4日だっけ?
早く会いたいなー』
ほんとにそう思ってくれてるのなら、めちゃくちゃ嬉しい。
あたしだって、早く会いたいんだよ。