fate
師走って言うぐらいだから、色んなことがあっと言う間に過ぎて行く。
クリスマスは祥子ちゃんちで食って飲んで騒いだ。
体に赤く残っていた痕は消えてしまった。
仕事も忙しくて、在原さんとのメールも電話も減った。
それでも、彼女には悪いけど、まだ切りたくなかった。
――12月30日。
高速バスの中から沙耶を見つけて手を振った。
「お疲れー。うあ、やっぱバスめっちゃ混んでるね」
次々とバスから降りて行く人を見ながら、ちょっと圧倒されている。
「沙耶んちどこなの!?早くゆっくりしたいよーーー」
長時間バスに揺られたので、ちょっと気分が悪くなっていたあたしは駄々っ子のように騒いでいた。
「電車乗るよ。まぁすぐだって」
田舎者のあたしは、広い駅でキョロキョロしながら沙耶に着いて行く。
すごいなー。
電車の数多すぎじゃない!?
「とりあえず今日はダラダラ過ごしてー。
明日の昼から行動開始だね!」
沙耶の部屋でコタツに座ると、すっかりくつろいでいた。
2人で鍋をつついたり、お笑い番組を見たりして近況報告。