fate
「キャーーー!!
ちょっとまじでカッコイイ!!」
爆音が鳴り響くホールで、タオルを振り回しながら飛び跳ねまくっていた。
指笛が鳴ったり、パンパン爆竹みたいな音もしている。
ステージにいる人たちは豆ぐらいの大きさにしか見えないけど、雰囲気と音に飲まれて、テンションは上がりっぱなしだった。
ついにモニターに【30秒前】という表示がされ、観客の歓声が上がった。
「「5・4・3・2・1」」
「「HAPPY NEW YEAR!!」」
たくさんの人の声が響き、年を越した。
「あけおめー!今年もよろしく!!」
周りの歓声にかき消されないように、沙耶に叫ぶ。
沙耶も叫び返してくる。
ひとしきり盛り上がったあと、バラードゾーンに突入した。
メンバーの一人が、観客に携帯を出すように言うと、みんながポケットやバックから引っ張り出して、電源を入れた。