fate
ガレージに車を停めて、古びた階段を手をつないで上がって行く。
ブーツを脱いで、ベッドに飛び乗った。
数回飛び跳ねてみて、思ったよりも軋むことに驚きながら、慌ててしゃがみ込む。
「何してんの」
在原さんはそんなあたしの姿を見て、楽しそうに笑いながら腕時計を外している。
「……キーケース」
「ん?」
あたしがつぶやいた言葉は、聞こえなかったみたいだ。
すぐに笑顔を作って答える。
「ううん、なんでもない」
それは、ただの嫉妬。
サイドテーブルに置かれたキーケースが、ヴィトンの白いダミエに変わっていた。
この前会ったときには気づかなかったけど、
多分、彼女からのクリスマスプレゼントなんだろう。