fate
罪悪感
バレンタインが近づいてきた。
なんとなく、在原さんとはメールも電話もしづらくて、
ぎくしゃくした関係が続いていた。
このまま終わってしまうのかな。
半ば諦めていたある夜、久しぶりの着うたが流れた。
「もしもし」
不安な心とは裏腹に、体がすぐ反応して通話ボタンを押した。
『お疲れ~。
なんか久しぶりでごめんね』
苦笑気味に、電話越しに聞こえる声。
真っ暗な部屋でベッドに寝転んだまま聞いていると、
在原さんがすぐ隣にいるような感覚に囚われる。
「久しぶりだね。
元気?」
あたしも苦笑しながら答える。
手のひらには汗がにじんでくる。