fate
髪を乾かしてバスローブのまま出て行くと、
在原さんはベッドに寝転んでテレビを見ていた。
服を着て、時計もしている。
さっきまで、一緒にお風呂に入っていたのに。
急に距離を感じた。
そのまま隣に座る。
「何、そのエロい格好は?」
笑いながら体を起こして、ストレートに戻った髪に触れる。
顔が近づいたとき、テレビから聞こえた声に、
動きが止まった。
『え~?どこからが浮気だと思いますかぁ??』
画面に映っているのは、最近よくバラエティに出ているグラビアアイドル。
なんでこんなタイミングで、そんなこと言ってるの?
『浮気とか、ほんと最悪ですよねぇー。
男ってみんなそうなんですかぁ?』
バカっぽい話し方に苛立ち、テレビを消した。
「在原さん……?」
初めて見た。
こんな、
辛そうな顔。
そんな顔を、させたいわけじゃないのに。