fate

祥子ちゃんが持ってきてくれたひざ掛けを借りて、
畳に横になっていると、在原さんがやって来た。

「課長には言ってきたから、もう帰って大丈夫だって。
すごい熱出てるっしょ?顔赤いし。

上田さんの車まわしてくるから、もうちょいそこで待っててな。
渡部さんがもう1台運転してってくれるから。俺はそれで一緒に戻ってくるし」


「あ、ありがとうございます…」

わざわざあたしのために、渡部さんにも動いてもらって申し訳ないな。
ちなみに、同じグループの30歳・独身男性。

って、そんなことはどうでもいいんだけど。

なんかもう、力が入らない。

薫ちゃんや里香ちゃんも、心配して見に来てくれたけど、在原さんのことで頭がいっぱい。




荷物を持って車に乗り込むと、優しい笑顔で、

「家どの辺だっけ?道案内してねー」

サイドブレーキを下ろしながら話しかけてくる。


在原さんがあたしの車を運転してるなんて変な感じ。




< 16 / 186 >

この作品をシェア

pagetop