fate
嗚咽で言葉に詰まりながら話していても、
沙耶はうんうん、と優しく聞いてくれる。
「こんなに好きなのに…
どぉすれば…いいの……っ?」
涙で濡れた頬が、どんどん冷たくなっていく。
『――辛いと思うけど…。
めちゃくちゃズルいし、ムカつくけど。
それが在原さんの終わらせ方なんじゃないかな…』
終わらせ方?
終わり?
終わりなの?
「やだぁ……」
認めたくない現実が、目の前に現れる。
なんでこんなことになったの?
ベランダに出て空を見上げると、嫌味かと思うほど綺麗な三日月。
凛とした空気が、ますます体を冷やしていく。