fate

次の週、沙耶が家に来てくれた。

ケーキを持って。


「誕生日おめでと~♪」


「え、ああ。
あたし誕生日だったんだ……。

ありがと」

3月になってることさえ、気づいてなかった。

そういえば在原さんも、自分の誕生日忘れてたっけ。
そんなことを思い出して切なくなる。


「はい、フォーク持って!
1ホール食い尽くすぐらいの勢いで!」


差し出されたチョコケーキには、
【はるかちゃんHAPPY BIRTHDAY】
って、久しぶりに見たよこのチョコ。


でも、あたしを元気付けようとしてくれるのが分かるから。

少しずつ、笑顔が戻ってくるような気がする。



「いただきまーす」

最近、まともに食事してなかったから、
胃が驚くかも。

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