fate
在原さんのと同じ輝きが、あたしの左手にも現れた。
それと同時に、大きな打ち上げ花火の音がして、
ワッと歓声が上がった。
「すごいタイミング」
涙の跡でぐしゃぐしゃの顔のままあたしが笑い出すと、
在原さんは両手を広げて
「おいで」
と言った。
久しぶりに触れる、在原さんの体温。
息づかいも、熱い肌の感触も、
もう手に入らないものだと思っていたのに。
「手つないで外歩けるね」
「うん」
「あたし、いっぱいわがまま言うかもしれないよ?」
「うん、いいよ」
優しい声で囁きながら、頭を撫でてくれる。
「何があっても、もう離さないから」
心地よくて、幸せで、また涙が溢れてきた。