fate

「上田さん、明日ショールームの子たちが研修で居ないのよ。

ちょうどいい機会だし、お客様対応してみない?」

「え、あたし?ですか?」


怯むあたしを安心させるかのように、営業部主任の女性はにっこり微笑んで言った。

「何事も経験よ。
近くに居てあげるから」

「…はい……」


接客は苦手なんだけどな…。
でも断れる雰囲気じゃないし。


「はぁ……」

思わずため息が漏れる。

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。
なんとかなるって」

浮かない表情のあたしを見て、在原さんが励ましてくれた。

なんとかなればいいんですけど。

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