fate
ショールームに立つって緊張する。
平日だから、あんまりお客さんは居ないけど。
お客さんが来て座ったら、おしぼりを出して注文を聞いて飲み物を出す。
それだけの作業なのに、緊張のせいで挙動不審になってしまう。
しかも飲み物によってカップの種類も決められてるし。
コーヒーもココアも紅茶も一緒でいいじゃん…。
「失礼します。
お飲み物はいかがですか?」
噛みそうになる台詞を繰り返して、
一通り飲み物を出し終えてから、カウンターの陰で休憩していると、
「頑張ってる~?」
在原さんがやって来た。
「まあ、なんとか…」
疲れを見せないように、笑顔を作ってみるけど、
ちょっと不自然かも。
と、自動ドアが開いて40代ぐらいの男性が入って来た。