fate
向かいの席に座っている男の人。
黒い短髪で、細身。
キレイな二重の目。でも、パッチリって感じじゃない。
黒いスーツがめちゃくちゃ似合ってる。
年は・・・25歳ぐらいかな?
「あ、俺、在原敬吾(アリハラ ケイゴ)と申します。どうぞよろしく」
声も高すぎず低すぎず、心地いい音。
「あ、はい。上田と申します。
よろしくお願いします!」
人見知りなあたしは、緊張も手伝って語気を強めてしまった。
「うん、名前はさっき聞いた」
少し笑いながら在原さんは答えた。
「てか、上田さんって背高いね。何センチ?」
「えっと…165センチぐらいだったと思いますけど―…」
ほんとはもう少し低いのが理想なんだけど。
「まじで?もっと高いのかと思ったー。
あ、ヒール履いてるからか?」
そんなに高く見えるのかな。ちょっとショック。