fate

「はぁー…。

まぁ、しょうがないよね!
次・次!
ほんと、どっかにいい男落ちてないかなー」

大きなため息をついたあと、無理矢理に元気な声を出している沙耶。


「うん…そうだね。

いい男寄ってきてほしいな~…」

水面をパシャパシャ叩いていると、
大きな雲が太陽を遮って行った。


「あ~お腹空いたぁ~。
なんか寒くなってきたし、上がって何か買いに行こうよ」

沙耶は岸に向かって泳ぎ出した。


「えー、待ってよー!」

大袈裟に水しぶきを上げながら追いかける。




「ヤバい。日焼け止めすごい塗ったのにー…!」
バスタオルを肩にかけながら、こんがりした腕を見つめる。


「もっかい重ね塗りだね。
まぁ、焼けたくないなら海来るなって話ー」

ケラケラ笑いながら沙耶が立ち上がった。


そのとき。

< 30 / 186 >

この作品をシェア

pagetop