fate
「はぁー…。
まぁ、しょうがないよね!
次・次!
ほんと、どっかにいい男落ちてないかなー」
大きなため息をついたあと、無理矢理に元気な声を出している沙耶。
「うん…そうだね。
いい男寄ってきてほしいな~…」
水面をパシャパシャ叩いていると、
大きな雲が太陽を遮って行った。
「あ~お腹空いたぁ~。
なんか寒くなってきたし、上がって何か買いに行こうよ」
沙耶は岸に向かって泳ぎ出した。
「えー、待ってよー!」
大袈裟に水しぶきを上げながら追いかける。
「ヤバい。日焼け止めすごい塗ったのにー…!」
バスタオルを肩にかけながら、こんがりした腕を見つめる。
「もっかい重ね塗りだね。
まぁ、焼けたくないなら海来るなって話ー」
ケラケラ笑いながら沙耶が立ち上がった。
そのとき。