fate
「あれ?上田ちゃん?」
雲に隠れていた太陽が顔を出した。
「へ?…在原さん?」
咄嗟に、バスタオルで身体を隠す。
と同時に、体温が上昇していくのを感じた。
なるべく小さく座り直して、タオルの端を引っ張る。
「あ、隠されたー。
せっかく会えたのにー」
笑って言う在原さんの、白いTシャツが眩し過ぎて目を細めてしまう。
海から上がったばかりで、メイクも髪もぐちゃぐちゃかも。
絶対変な顔になってるよー…なんでこんなときに。
「うん、でもやっぱ可愛いわ。
あ、こんにちはー」
「え、あ、こんにちは」
なんかまたさらりと言われたんですけど。
そのあと普通に、沙耶と挨拶交わしたりしてる。
ペース乱されまくり。