fate
在原さんがあたしの隣に座ったので、
沙耶もしぶしぶという感じで座った。
「彼女と来てるんですか?」
「ううん。
ツレと。その嫁子どもと」
その言葉にちょっと安心して、タオルを掴む手が緩む。
「なんかちょっと居づらくてさー。
家族の夏休み邪魔してるみたいで。
まぁ、ツレに誘われたから来たんだけどね」
苦笑いの顔さえカッコイイ。
とか思ってしまうあたしは重症ですね。
「あ、俺カキ氷買いに行く途中だったんだ」
「そうなんですか!あたしたちも行きます!」
沙耶が勢いよく立ち上がった。
「沙耶、どんだけお腹空いてんの」
思わず苦笑してしまう。
「だってー。水着のために朝ごはん抜いたんだもんー」
「結局食べるんだからお腹出ちゃうって」
「いいんだよー。自己満足なんだからーーー」
そんなやりとりを見て微笑みながら、在原さんも立ち上がった。
あたしは、肩にかけたタオルでお腹まで隠したままついて行った。