fate
「ねえ。はるかってあの人のこと好きでしょ」
友だちのところへ戻って行く在原さんの背中を見ながら、
沙耶がつぶやいた。
「えっ?…分かる…?」
「分かるよー。何年一緒にいると思ってんの?」
焼きそばをほおばりながら沙耶は続けた。
「でも、はるかにはあたしみたいに辛い思いしてほしくないな。
あの人、彼女いるんでしょ?」
「…うん」
沙耶の言葉が重く肩にのしかかる。
さすが。10年以上も友だちやってると、あたしのことよく分かってるな。
「てか、はるかのこと可愛いーとか言ってたね。
実はちょっと気になってたりするんじゃん?」
「はぁ?それはないでしょー。
からかわれてるだけだよ」
さっきの言葉を思い出して、顔が熱くなった。