fate
「でもまだ結婚してないんなら、
頑張ってみるのもいいかもよ?」
「いやいや。さっきまで止めてたじゃん。
どっちなの?」
苦笑しながらも、心はぐらぐら揺れていた。
頑張ってもいいかな?
いや、でも。
「やっぱ無理じゃない?
もう5年以上付き合ってるらしいもん。
あたしなんか…ひゃっ!?」
日に焼けてヒリヒリしている腕に、冷たい感触。
氷の塊が腕に押し当てられた。
「ちょっ、やめてよー。
なんでそんなの持ってんの!?」
「ジュース冷やしてるやつもらってきたのー。
気持ちいいでしょ?」
キャハハ、と嬉しそうに沙耶が笑った。
「いや、びっくりしたし!」
「『あたしなんか…』とかってネガティブなこと言ってるからだよ。
おしおき!」
「もー。分かったよ。
ポジティブに頑張ります!」
と言ったものの。
何をどうすればいいんだか。