fate
水色で光沢のある衣装に、白い法被を着ている人。
ちょっと距離があって見えづらいけど。
「こっち見て笑ってたから、間違いないと思うんだけど…」
「あの人、地元こっちなの?」
「いや、違うはず…」
「えっと、とりあえず追いかける!?」
沙耶が先に走り出したので、慌てて着いて行く。
「お。ちょうど休憩するみたいじゃない?
どこ行った?」
2人で挙動不審。
「あ、居た。
…けど無理。近づけない」
「え?どうしたの?
あ―…」
あたしの視線の先には在原さんと、多分、彼女。
いや、間違いなく彼女。
左手に指輪を発見してしまった。
楽しそうに笑い合ってるし、同じジュースを2人で飲んでる。
てか、突っ込んでいいですか?
「彼女、背小さいじゃん…」
あの身長差だと150センチもないんじゃないかな。
顔は、影になっててよく見えない。
「はるか、行くよ!」
立ち尽くしているあたしの腕を強引に取って、
沙耶が来た道を戻り始めた。