fate
「ちょっと、どこ行くの?
祭りは?」
「祭りなんかどうでもいいから!
飲み行くよ!!」
居酒屋の奥の座敷に座って、普段は飲まない日本酒を飲む。
不味い…。
「でもね、在原さん、あたしぐらいの背の子が好きって言ったんだよ?
なのに何?見た?
彼女小さいじゃん。
ときめいちゃったあたしバカじゃん」
「はるか」
「やっぱ、からかわれてんだね。
優しくしてくれるのも、子ども扱いされてるからなんだ。
いちいちそれにドキドキしてるあたしがいけないんだよ。
あたしがおかしいんだ―」
「はるか!」
早口で喋り続けていると、沙耶は声を大きくして遮った。
「いいから飲みなさい。おごるから。
自分を否定したらダメだよ。
ね?」
「沙耶…。
お母さんみたい…」
「は!?なんで!」
こんな風に言ってくれる友達が居て、良かった。
1人じゃ耐えられないよ。