fate

その日は、そのまま沙耶の家にお泊まり。

珍しく日本酒なんか飲んだから、
色々考える間もなくすぐに眠りについた。



人生初の二日酔いを体験する覚悟で目を覚ましたけど、
全く気持ち悪くない。
頭も痛くない。

むしろ清々しいぐらいだった。


「沙耶~、暇ぁ~。
祭り見に行こうよ~」

「結構飲んだのに元気だね。
実は強い?
いつも甘いやつばっか飲んでるから知らなかったよ」

苦笑しつつ、沙耶がメイクを始めたので、あたしも準備を開始した。



「どこだっけ?神輿が綺麗な地区。
そっち行こう」

「ありがと」

気を遣ってくれたのが嬉しくて、お礼を言ったけど、沙耶はただ微笑んでいた。

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