fate
衝撃
祭りが終わって月曜日。
いつものように出社して、いつものように仕事をする。
目の前にいる在原さんを、なるべく見ないように。
でも、話しかけられたら無視するわけにはいかない。
「上田ちゃん」
「はい?」
そういえば、いつの間に呼び方が“上田さん”から“上田ちゃん”になったんだっけ。
「祭り、見に行ってたんだねー。
上田ちゃん居るかなーって探してたから、見つけて嬉しかった。
しかもワンピ可愛かったし」
ほらまた、そうやっておだてる。
でもそんな挑発には乗らないぞ…!
「地元ですからね。
まさか在原さんが居るとは思わなかったんで、
びっくりしましたよー」
「うん、彼女の親戚に誘われて参加してみた」
「…そうですか。
あ、てか似合ってましたよ!あの水色のやつ」
彼女の話題から遠ざけようと思った。
「まじで?
ああいうのって着たことなかったんだよねー。
上田ちゃんに褒められるとか、かなり嬉しいわ」