fate

「ごめんねー、
ストックしてある制服が大きいサイズしかなくって。
もう何日か待ってくれる?」

総務課のお局様に言われてから約一週間。

やっと制服が届いた。


真新しいブラウスに袖を通すと、改めて社会人としての気合いが入る。

昨日までリクルートスーツだったからね。


白いブラウスに紺のジャケットとタイトスカート。
ピンクのスカーフを蝶々結びに巻いてみる。

慣れないから上手くできなくて、何回も結び直したけど。


「おはよう。
あれ、今日から制服なんだ。
似合うじゃん」


「えっ。そ、そうですか?」

在原さんの言葉に声がうわずってしまう。
優しい笑顔に、鼓動がどんどん速くなっていく。


ダメだ…この人、かなりあたしを惑わせる。






< 6 / 186 >

この作品をシェア

pagetop