fate

「在原さんがK支店行っちゃったら…

ほんと寂しいです…。

行かないでください」


ついに本音を言ってしまった。

ひかれたかな…?





「もー。

そんなん言われたら本当に行きたくなくなるよ。


でも、ありがとう」


困ったような笑顔で手を伸ばして、
子どもを諭すようにぽんぽん、と頭をなでてくれた。

今日は、指輪してないんだね。



涙が溢れそうになったので、下を向いて目をきつく閉じた。

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