fate
少しは落ち着こうとベッドに座っていると、
握り締めていた携帯が鳴った。
「―もしもし」
『ごめん、風呂入ってたー。
どうかした?』
びっくりした。
彼女と会ってたわけじゃないんだ。
良かったー……。
「在原さん、お誕生日おめでとうございます」
『え?あ、もう今日なんだ。
ありがとう。てか、忘れてた』
ほんとに驚いた声を出してるから、ほんとに忘れてたみたい。
「え!?忘れてたんですか!?」
あたしも驚いてしまう。
『もう26だから、オッサンだよー。
でも、上田ちゃんが覚えててくれて、まじ嬉しい』
またそうやって、あたしを喜ばせるのが上手いなぁ。