fate
反則

もう12月になるのかー。
1年経つの早いなー…と思いつつ、

お風呂から上がって、やっと胸辺りまで伸びた髪を乾かしているときだった。


携帯が、メール受信を示すライトを点滅させている。

【今日もお疲れ様でした。起きてるー?】

いつもの感じで、在原さんから届いていた。


【お疲れ様です。
今、お風呂から出たとこです。

K支店はどうですか?】

何か話題を出そうと頑張ってみるけど、ありきたりなことしか出てこない。


【んー、まぁ悪くは無いよ。
でもなんか疲れるー…はるかちゃんに癒されたいな】

文末には宇宙人の絵文字がついている。
冗談なんだろうけど…なんでそんなこと送ってくるの?


【そんなこと言ってると、彼女に泣かれますよ。
てか、あたしも泣きますよ?(笑)】




しばらく間があった。


【ごめん。泣かないで】

泣かせてるのは、あなたですけど。
いや、まだギリギリ泣いてないけど。

どうせまた、ふざけてるんだろうな。






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