fate
おずおずと顔を上げると、優しく微笑む在原さんと目が合った。
「可愛い。好きだよ」
目を閉じると、優しく唇が触れた。
冬の空気はこんなにも冷たいのに。
あたしの体は、どんどん熱くなっていく。
「うあー…心臓止まりそう」
「大丈夫?
いや、俺も緊張してるけどね」
しばらく抱き合ったまま、「恥ずかしい」を連発していると、いっぱい笑われた。
「もし社内でキスしたらどうなるかな?」
在原さんは、いたずらっ子みたいに目を輝かせて言った。
「みんなにバレて大変なことになるよ?」
「そうだね。バレてもいいよ」
そんなこと思ってないくせに。
「でも秘密にしてないとダメでしょ?」
「うん…2人だけの秘密だね」
そう言うと、また優しいキスが落とされた。