fate
住宅地の端にある小さな公園。
在原さんはその前に車を停めた。
外灯と月明かりが静かに照らしている。
しばらく特に会話をするわけでもなく、ただ抱き合っていると、在原さんが口を開いた。
「寂しかった?」
「うん…寂しかったよ……」
素直に答えると、優しく頭をなでてくれた。
しんみりした空気が流れていると、突然わき腹をくすぐられた。
油断していたあたしは、
「ちょっと!なんで!?」
と笑いながら抵抗した。
「めっちゃ好き」
在原さんは笑って言いながら、頬や首筋にキスを繰り返す。
「ちょっ…首はヤバいぃ……」
あたしの反応を楽しむように、ますますエスカレートしていく。
軽く触れ合っていただけの唇も、だんだん深くなっていった。
「――もう遅いし、帰ろうかな」