僕と彼女とレンタル家族
第39話 「喫茶店4」
在過は、珈琲を飲みながら数日前にあった出来事を部分的に話していく。携帯に入っている電話帳内の知人女性に、メッセージアプリ内の知人や前職の女性を含め削除したこと。個人的に苛立ちもあったことから、在過も同じように消せるよね? と神鳴に聞いたところ、自分は消せない発言を聞いて喧嘩になってしまったこと。その喧嘩により、神鳴が泣きながら母親に連絡をしたことで、神鳴の母親である雷華が自宅に訪れたこと。
SNSアプリ内のダイレクトメッセージに、たった数時間後に大量のダイレクトメッセージが届いた内容を見せる。しかし、職場まで来た亜衣と呼ばれる女性と、雷華から頂いた妹へのお見舞いの品物がカッターナイフに手紙が添えられていたことは話せなかった。
相談してくれて、辛ければ吐き出してくれていいと言ってくれる友人がいる。その一言が凄く助かり、辛い感情や醜い気持ちを吐き出すことで楽になる。だが……それでも全部話せない。何故話せないのか? 在過本人も理解できていないだろう。これ以上相談して迷惑を掛けられないと言う気持ちもあれば、過去の人達のように……また失うのが怖いというトラウマから逃げられないのだ。
「なるほどなぁ。何度も言ったかも知れないけど、本当に女運悪いよな。どうして、こう……変な人?って言ったら失礼だけどさ」
「んぅ……。今までの人と違って、事情を話しても一緒にいてくれたことが僕にとって運命とも呼べる人だったんだけどね」
「その基準で一緒にいるのは危険だよ? そんなこと言ったら、近藤のこと理解しているフリさえすれば、利用できるかもと思う奴もいるかもしれない。例をあげるなら、私は近藤の事情を知っているうえで、これからも力になるって思っているけど、実は利用するために演じているだけかもしれない」
「ふむ」
「個人的な解釈だから、気分を悪くしないで欲しいんだけど。神鳴さんは元恋人と別れた数日後に近藤と出会った。比較的同じ趣味で話も聞いてくれる人と出会ってしまった。吊り橋効果に似ている感じかな? 恋人と別れて寂しいときに理解してくれる近藤が近くにいたことにより惹かれてしまった。」
「……」
「近藤も同じさ。私と学校で知り合ったときも、事情を聞いてあげただけで、ほぼ無条件で信用してくれただろ? 近藤在過と言う君が、ご両親や妹さんのことで抱えきれる容量以上の重荷になってしまった時に、篠崎神鳴と言う女性が事情を聞いても一緒にいることを選んだことで、君は無条件で篠崎神鳴と言う人物を好きになった。もしこれが、篠崎神鳴ではなく別の女性だったとしても、君は好きになってしまったんじゃないかな? 本当に、心の底から篠崎神鳴と言う女性だから好きだと言えるのかい?」
「あはは……痛いね」
「そう思うってことは、全部じゃなかったとしても理解している部分はあったのかな」
「そう……なのかな」
SNSアプリ内のダイレクトメッセージに、たった数時間後に大量のダイレクトメッセージが届いた内容を見せる。しかし、職場まで来た亜衣と呼ばれる女性と、雷華から頂いた妹へのお見舞いの品物がカッターナイフに手紙が添えられていたことは話せなかった。
相談してくれて、辛ければ吐き出してくれていいと言ってくれる友人がいる。その一言が凄く助かり、辛い感情や醜い気持ちを吐き出すことで楽になる。だが……それでも全部話せない。何故話せないのか? 在過本人も理解できていないだろう。これ以上相談して迷惑を掛けられないと言う気持ちもあれば、過去の人達のように……また失うのが怖いというトラウマから逃げられないのだ。
「なるほどなぁ。何度も言ったかも知れないけど、本当に女運悪いよな。どうして、こう……変な人?って言ったら失礼だけどさ」
「んぅ……。今までの人と違って、事情を話しても一緒にいてくれたことが僕にとって運命とも呼べる人だったんだけどね」
「その基準で一緒にいるのは危険だよ? そんなこと言ったら、近藤のこと理解しているフリさえすれば、利用できるかもと思う奴もいるかもしれない。例をあげるなら、私は近藤の事情を知っているうえで、これからも力になるって思っているけど、実は利用するために演じているだけかもしれない」
「ふむ」
「個人的な解釈だから、気分を悪くしないで欲しいんだけど。神鳴さんは元恋人と別れた数日後に近藤と出会った。比較的同じ趣味で話も聞いてくれる人と出会ってしまった。吊り橋効果に似ている感じかな? 恋人と別れて寂しいときに理解してくれる近藤が近くにいたことにより惹かれてしまった。」
「……」
「近藤も同じさ。私と学校で知り合ったときも、事情を聞いてあげただけで、ほぼ無条件で信用してくれただろ? 近藤在過と言う君が、ご両親や妹さんのことで抱えきれる容量以上の重荷になってしまった時に、篠崎神鳴と言う女性が事情を聞いても一緒にいることを選んだことで、君は無条件で篠崎神鳴と言う人物を好きになった。もしこれが、篠崎神鳴ではなく別の女性だったとしても、君は好きになってしまったんじゃないかな? 本当に、心の底から篠崎神鳴と言う女性だから好きだと言えるのかい?」
「あはは……痛いね」
「そう思うってことは、全部じゃなかったとしても理解している部分はあったのかな」
「そう……なのかな」