俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
目をしばたたかせて「へ?」とまぬけな声を漏らすと、宮路さんは私の両肩をガシッと掴む。
「もう今年一の衝撃だったわよ! これまで数多の女が玉砕してきたあのG難度のハイスぺ男子をどうやって落としたの!?」
彼女は今まで抑えていたかのごとく急にテンションが高くなり、興奮気味に問いかけてきた。なんだか、思っていた反応と違う……。
「どうしたの? ひょっとこみたいな顔して」
「や、あの、もっとお怒りになられるのではと……黙っていて本当に申し訳なかったと反省していたので」
「ああ、この間の食堂でのこと? 内緒で付き合ってたんでしょ。隠してるカップルもわりといるから、別に謝るほどじゃないわよ。むしろ今までよくバレなかったわね」
肩をすくめて謝るも、宮路さんはケロッとした様子でそう言った。どうやら微妙に勘違いしてくれているらしく、とても助かるのでそういうことにしておこう。
意外にも私に嫉妬心は抱いていないようだが、彼女は腕組みをしてやや不満げに話し始める。