俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「まあ、彼に渾身の色仕かけをさせてすらもらえなかったときは、〝私に目もくれないって、相手はどんだけ極上の女なわけ?〟って思ったし、空港で抱き合ってるのを見て〝なにドラマみたいなことしてちちくり合ってんのよ!〟って憤慨してたけど」
「すみません……」
いろいろと罪悪感を覚え、やっぱり謝罪が口からこぼれた。そりゃあ、まったく怒らなかったわけではないだろう。
しかし、宮路さんは嫌味のない笑みを浮かべる。
「でも相手があなただってわかったら、なんか拍子抜けしちゃったし感心もした。CAでもグランドスタッフでもない、日の当たりにくい航務課で粛々と働いている決して派手じゃない子が選ばれるって、想像しなかったから」
あっけらかんと言う彼女に、私こそ拍子抜けしてしまった。
千里さんの相手が私みたいに垢抜けない女だったと知ったら余計文句が出そうな気がするけれど、そこで考えが悪い方向にいかないところが、宮路さんの性格のよさなのかもしれない。
「だから、単純に気になるのよ。あなたがどうやって親密になって、彼の心を射止めたのか。今後の参考までに、近いうちに食事でもしながらじーっくり聞かせて」