俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「宮路とその仲間たちと食事?」
「そうなんです。玲香さんだけだと思っていたら、CAさんも何人か一緒に来るらしくて」
場所を決めたあとに〝私の仲間もつぐみちゃんたちの話をぜひ聞きたいって。いい子たちだから誘ってもいい?〟とメッセージが来た。正直遠慮したい……というのが本音だが、断る勇気が出ず承諾してしまったのだ。
いい子たちだという言葉を信じたいけれど、質問攻めに遭うのは避けられないだろう。うまくかわせる自信がない。
「どうしよう。私たちのなれそめとかを聞く気満々みたいで困るな……」
「そんなの、そのまま言えば? 保険に入るのも忘れた能天気さで火事に遭って俺に泣きついた、って」
「さりげなく私をバカにしてますね」
至極どうでもよさそうに言い放つ彼に、私はじとっとした視線を向けた。
まあ確かに、なれそめくらいなら事実を明かしてもいいかもしれない。ただ、どうやって彼を射止めただとか、具体的な話になったらきっと不自然にうろたえてしまう。
一番いいのは、千里さん本人を連れて行って彼に話してもらう方法だ。彼なら顔色ひとつ変えずにかわしてくれるはず。