俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
俺が恨みつらみをぶつけたいのは大輔だ。あの間違った記事のせいで、どれだけ父を苦しめたかをわからせてやりたい。
復讐心を抱くも、どうやって彼と接触するか悩んだまま数カ月が経ったある日、隣につぐみが引っ越してきた。なるべく彼女自身とは関わらないほうがいいと思っていたのに、運命のいたずらというのは本当にあるらしい。
しかし屋上で会ったときは、缶ビールを無線に見立てて管制官もどきの挨拶をする彼女が面白くて気を引かれ、自然に近づいていた。
そして、なんとなく気になってオペレーションをしている理由を尋ねると、返ってきたのはシンプルな言葉。
『私も、飛行機を飛ばす一員になりたかったんです』
それを聞いて、父と一緒に飛行機を飛ばしたいと願った幼い頃を思い出し、胸が切なくしめつけられる感覚を覚えた。
つぐみも単純に飛行機が好きでこの世界に入ったというのも、俺とまったく同じ。それだけのことがなぜ嬉しいと感じたのか、はっきり説明はできない。
それからすぐ、あの火災が発生。住む場所を失ったつぐみは、あろうことか俺のマンションに居候させてほしいと言い出す。