俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】

 数日後、俺たちは籍を入れてれっきとした夫婦になった。

 大輔から愛娘を奪えればよくて、夫婦らしくするつもりなどなかったはずが、あろうことかデートまでしている。それもまんざらでもない自分にほとほと呆れる。

 さらには、つぐみがどんどん可愛く見えてきているから困るのだ。

 ひとつの傘の下、はにかんだ微笑みで名前を呼ばれたときも、夫婦初デートだと浮かれているときも。俺は口から出る素っ気ない言葉とは裏腹に、いちいち胸をくすぐられていた。

 極めつけはプラネタリウムで、漠然とだが、自分たちの子供について話したとき。

 俺は、これまで結婚すら意識してこなかったのだから子供についてはなおさらで、自分が親になるイメージもまるでなかった。しかし夫婦になった以上、放っておける問題ではない。

 つぐみがどう考えているかもわからないが、もし俺たちに子供ができたと想像すると……わりと幸せかもしれないと思う。

 皆で空港に遊びにいくのも楽しそうだし、俺が父にしてもらったように飛行機に乗せて、いろいろな場所に連れて行ってやりたい。
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