俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「問題が起こったとき、最前線でその対処をするのはやっぱりパイロットで、そんな大きすぎる責任を負って業務にあたっている千里さんたちを本当に尊敬します」
彼女に温かな笑顔を向けられ、目頭が熱くなるのを感じた。
……その言葉も、父に聞かせてやりたかったな。
俺自身も、尖った心を真綿で包まれるような感覚を覚える。
「……ありがとう」
俺の口からは、驚くほど優しい声が自然に出ていた。
大輔とつぐみは、親子ではあっても当然別の人間。彼女が俺と同じ考えを持っていることにほっとして、救われた気分になった。
同時に、やはり彼女は自分にとってかけがえのない人だと思い知る。これから、彼女の父親に恨みつらみをぶちまけるかもしれないというのに。
純粋に妻として俺に寄り添おうとしてくれている彼女に対して、罪悪感ばかりが募っていった。