俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
オフィスに入り業務を始めると、プライベートなことは気にしていられない。
昼頃には小型の旅客機に不具合が起き、滑走路上で停止した。その当該機を駐機場に牽引し、安全確認が終わるまでの間、一時滑走路が閉鎖されることになった。
こういうイレギュラーが発生すると恐ろしいほど忙しくなる。いくつものやるべきことを頭で整理しながら、私が担当している飛行機のパイロットに無線で状況を伝える。
「不具合が起きた航空機があり滑走路34Lが使用できなくなっているので、上空待機を指示されるかもしれません。現在、五機が待機中です」
『了解しました』
返答をもらいモニターをチェックしていると、しばらくして別のパイロットから連絡が来た。
『まだ着陸できないようなら、燃料が残り少ないので成田へダイバートしたいのですが、あちらの状況はどうですか?』
「確認しますので少々お待ちください」
目的地の天候や滑走路の状態を伝えるのもオペレーションの仕事。しかし、成田空港の天候を確認しようとすると、新たに『風の状況を教えてください』と無線が入る。