俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「ダメなんて言われても、可愛いから逆効果」
この人、本当に千里さん? 可愛いだなんて言うような人だっけ。
胸がきゅんと鳴いた直後、彼自身の熱が私の中に割り入ってきて、甘い刺激が全身を駆け巡った。吐息交じりの余裕のない声で「つぐみ」と呼ばれるたび、たまらない気持ちになる。
「す、き」
奥深くでひとつになった瞬間、私の口からその想いが自然にこぼれていた。
千里さんは一瞬驚いた表情を見せたあと、愛おしそうに目を細める。しかし嬉しそうな表情とは裏腹に、ゆるゆると腰を動かしながら意地悪な言葉を返す。
「聞こえない」
「……好き」
「もっと」
要求をするごとに律動が激しくなり、私は息を荒らげながらうわ言のように口にする。
絶対聞こえているくせに。私だって、あなたからの愛を確かめたいのに。
「千、里さ……好き……っ、好き」
快感が最高潮に達するその瞬間まで、私は夢中で自分の想いを伝えた。
やがて身体が痙攣する感覚と、お腹の奥で脈打つ感覚を同時に覚えたとき、彼は思いきり私を抱きしめる。
「俺も──愛してる」
耳元で囁かれた言葉が、朦朧とした脳内に響く。待ち望んだ幸せが一杯に広がって、涙が溢れた。