俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
──目が覚めると、カーテンの隙間から差し込む明かりで、すでに日が高く昇っているのがわかる。今日が休みでよかった。
でも、まだ起きたくない。シーツは乱れて衣服が散乱しているだろうし、そんなまざまざと残っている情事の痕跡よりも、初めて見る愛しい人の寝顔を見ていたい。
昨夜はあれから、お互い話し合うのを拒むように限界まで抱き合った。繋がっていた部分に少し違和感があるけれど、最中に痛みはまったく感じなくて、むしろ快感で溶けてしまいそうだった。
セックスがあんなに気持ちよくて幸せな行為だったなんて知らなかった。本気の愛情が潤滑油になるのかな。
そんなふうにぼんやり思いつつ、少し乱れた髪がかかる綺麗な顔を見つめていると、彼のまつ毛がぴくりと震える。
うっすら開く双眼に自分が映るだけで、鼓動がうるさくなる。その瞳は普段からは想像できないほど無防備で、優しくて、私の口元が自然に緩む。
「おはようござ……」
挨拶をしようとしたのもつかの間、手が伸びてきて頭を寄せられ、ちゅっと口づけられた。
……千里さんが〝おはようのキス〟をするのも意外。ぽっと頬を染めつつ、昨日から別人のように甘い彼に照れ隠しで問いかける。