俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「寝ぼけてます?」
「誰かさんと一緒にするな」
口を開けば茶化されるけれど、気だるげな掠れた声がセクシーで子宮の奥が反応してしまう。私の身体はすっかり淫らにされたらしい。
昨夜の情事を思い出して悶えたくなっていると、逞しい腕に抱き寄せられる。それだけで彼の気持ちが伝わってくる気がして、私も胸にすり寄った。
千里さんにもちゃんと愛がある。それは抱き合って確かめられたし、今も感じている。
だから今度は、愛があるのになぜ彼が終わりにしようとしているのかを確かめなくては。いつまでも後回しにはしていられない。
「……いい加減に起きるか。こうしてるとまた抱き潰したくなるから」
千里さんも同じことを考えていたらしく、名残惜しそうに言って私の額にキスをした。
お互いシャワーを浴びてリビングに向かったときには、午前十時を過ぎていた。昨日からなにも食べずに快楽を貪っていたので、ひとまず簡単なものを作ってブランチにする。
夢見心地でいられるのはここまで。これから現実と向き合わなければならない。