俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
宮路の派手な恋愛遍歴には泉にフラれた過去が深く関係していそうだ。
本気で好きだったのに相手にされなかったショックから、半ばヤケのような調子でいろいろな男と付き合うようになったとか……ありえなくない。
男慣れしている印象とは裏腹に、本当はかなり純情な女性なのかもしれないな。
しかし泉のヤツ……それに気づいていないとか、自分のことに関してこんなに鈍感だとは。
「お前もある意味悪い男じゃないのか……」
「ん?」
「いや、なんでもない。幸せになれよ、お前らも」
なんだか宮路が不憫になってきて苦笑し、それぞれいい恋愛ができるように祈ってそう言った。
泉は表情を柔らかく崩す。
「千里こそ。大切なものを見失わないようにな」
重みのあるひと言が返ってきて、俺はカクテルを飲み干すと共に今の助言をしっかりと胸にしまった。