俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
瞬時に考えを巡らせてぽかんとする私に、彼はいたずらっぽく口角を上げて補足する。
「ただし、終身契約だけは継続で」
輪郭を帯びたような、確固たる幸せが舞い戻ってきた。
喜びが一気に湧いてくるけれど、同時に騙されたような悔しさもあり、膨れっ面しつつ笑うというおかしな顔で彼の腕を叩く。
「もう、びっくりした……意地悪! ドS!」
「そんな男を好きになったのはお前だろ」
「そーですよ、大好きですよ! 悔しいけど」
半ばヤケになって言うと、ちょっぴり強引に唇を奪われ、「んむっ」と色気のない声が漏れた。
最初は戯れていたようなキスが、どんどん濃厚になっていく。すぐに溶かされてしまい力なくソファに倒された私を、扇情的な瞳が見下ろす。
「じゃあ、このまま目一杯抱いていい?」
ドキリと心臓が飛び跳ねた。もちろん私も抱かれたいのだけど、〝目一杯〟のひと言からちょっと危険な予感がして、ぎこちない笑みを返す。
「あの、ほどほどに……」
「そんな中途半端な愛し方でいいならここまでだな」
「えっ!」
千里さんが涼しげな顔であっさり身体を離すので、私はつい〝待った〟をかけてしまった。
彼はこちらにサディスティックな流し目を向け、してやったりというふうに口角を上げる。