俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】

 美紅さんが口をもぐもぐさせつつ問いかけると、宮路さんは意味深に口角を上げる。


「天澤さんへの、愛の告白」
「ごほっ!」


 色っぽい囁き声で紡がれた言葉に、私はつい咳き込んでしまった。

 むせる私に美紅さんが「つぐみちゃん、大丈夫?」と声をかけてくれる。私はこくこくと頷き、気持ちも落ち着かせようと一気にお茶を飲む。

 天澤さんも同じロンドン行きの便に乗るのは把握していたけれど、まさか告白するつもりだとは!

 一度咳払いをして、驚きを隠せないまま確認する。


「宮路さんって、天澤さんが好きなんですか……!?」
「うん。コーパイでも機長並みの操縦をする彼、ずっとカッコいいな〜とは思ってたの。半年前に彼氏と別れてから本格的に狙ってたんだけど、なかなかタイミングが合わなくて。今回こそはモノにしてみせるわ」


 ぐっと手を握りしめて闘志を漲らせる彼女に私は唖然とし、美紅さんは呆れ顔で頬杖をついた。


「今度は天澤さんか。玲香の獲物はなんでいつも高嶺の花なのよ」
「別にわざと狙ってるわけじゃなくて、好きになった人が皆そうなだけだから」


 ふたりの会話を聞きながら、そういえばこの間美紅さんが言っていた肉食CAは宮路さんのことだった……と思い出す。
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