俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
宮路さんも姿勢を戻し、うっとりとした表情でため息をつく。
「いつ見てもカッコいい……これから四日間一緒だなんて幸せすぎる」
「フラれたら最悪の四日間ね」
「なんてことを!」
口元にだけ笑みを浮かべるちょっぴり意地悪な美紅さんは、憤る宮路さんに遠慮なく言う。
「だって彼は簡単になびくような男じゃないでしょ、絶対」
「もちろんわかってる。だからあの手この手で迫るのよ。ステイ先の部屋に入れてもらって、押し倒すくらいの勢いでね」
彼女の赤裸々な計画を聞き、私は心の中で〝ちょっと待ってー!〟と叫んでいた。
彼、私の旦那様になる予定の人なんですよ……。さすがにほかの女性に迫られるのは阻止したい……けど、この状況で暴露する勇気はない。
美紅さんが言うように、きっとあの天澤さんならうまくかわすよね、と自分に言い聞かせていると、宮路さんが急に私に話を振ってくる。
「ねえ、蒼麻さんはいないの? 好きな人」
「あ、はい、今はいません。仕事が手一杯で余裕なくて」
苦笑を漏らしつつ、ここは正直に答えた。ずっと呆れ顔をしていた美紅さんが、いつもの調子に戻って私に声をかける。