俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「はい。あの……」
「僕は泉 柊一といいます。またあなたにお会いしたいと思っていたんですよ」
紳士的な微笑みもリップサービスも完璧で、ついついだらしなくニヤけてしまう。いけないいけない、人妻になろうという身でほかの男性にときめいていたりしたら。
口元と気を引きしめて、いたって普通の質問をする。
「泉さんもここにお住まいなんですか?」
「ええ、二十三階に。蒼麻さんは、つい最近引っ越されてきたんでしょう」
ずばり当てられ、私は目をしばたたかせた。なぜ確信している様子なんだろうか。
「よくご存じですね」
「千里とは古い友人なので」
彼の口から思わぬ名前と驚きの関係が飛び出し、「ええっ!?」と声をひっくり返らせた。
まさか泉さんと天澤さんが友達だったとは! なんて顔面偏差値の高いペア……。
呆然とする私に、泉さんはマンションの中を指差し、「せっかくなのでラウンジで少し話しませんか」と誘う。天澤さんとの関係についても気になるので、私は二つ返事で了承した。