俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
しかしその前に、驚愕と混乱で挙動不審になっている彼女にまず説明をしなければ。
「どどどどういうこと!?」
「実は……」
天澤さんが隣人だったことから始まり、彼のマンションに転がり込んで結婚することになるまでのいきさつを、かいつまんで説明した。
美紅さんは終始ぽかんとしていて、その間に運ばれてきたおしゃれなワンプレートのランチにもまともに手をつけられていない。
「あのドSコーパイがお隣さんで、火事の被害に遭って彼に助けを求めたら契約結婚することになった……って、情報量多すぎてまったく理解できない」
「ですよね。すみません」
話すタイミングを逃してずっと黙っていたことを平謝りした。
美紅さんは「それはいいんだけど」と気にしていない様子で、だんだん思考が追いついてきたらしく顔がニヤつき始めている。
「まさかふたりが結婚するとはねぇ……これ飲みに行くしかないでしょ。そこで詳しく聞かせてよ。明日つぐみちゃんは休みで私は遅番だから、ちょうどいいじゃない」
「私も思いっきり飲みたいんですけど、なにせ節約生活中なんで……」