俺様パイロットは契約妻を容赦なく溺愛する【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「子供は、今はまだお互いに考えていないので。契約内容は変更したいことがあればその都度更新していくつもりなんで、欲しくなったら話し合います」
「なるほどね」
一応美紅さんは納得したらしく頷いたものの、私は気になることがひとつ増えてどこか上の空になってしまった。
今は考えられないだけで、子供のいない人生を送りたいとまでは思わない。いつかは自分の子供も一緒に幸せに暮らしたいと、漠然と思うけれど……。
夫婦生活も子供も、天澤さんは本当のところどう考えているんだろう。もし彼が子供嫌いだとしたら大問題だ。やっぱり話し合わないと。
「でも私、ふたりはお似合いだなって前から思ってたよ。性格の相性がよさそうなのは見ていてわかるから」
スープをすすって黙考していると、穏やかに微笑む美紅さんからそんな声をかけられて、ちょっぴり気恥ずかしくなる。「どうかなぁ」と曖昧に返しつつも、なぜだか嬉しく感じる自分もいた。
「きっと玲香も玉砕したわね。これでちょっとは懲りるかしら」
いたずらっぽい顔をする美紅さんが、ふいに宮路さんの名前を出したのでドキリとする。