BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
「……来週も行くのか」
「え、どこに」
「授業受けに」
ああ、そういえば今日は金曜日だっけ。
「そりゃあ、まあ……」
焦らすようにゆっくり下りていく千広くんの視線が、スカートの裾のところでピタリと止まった。
見られている部分に熱が生まれる。
なんでそこを、見るの……っ?
そわそわ、落ち着かなくなってつい太ももを擦り合わせそうになる。
「っあ、あの千広くん」
「授業出てもいいけど……気をつけろよ。歩き方とか、お前、なんか危なっかしー……」
「? 歩き方? あぶなっかしい、とは」
「階段勢いよく駆け上がったりとか、前よくしてたろ。あと、机に身を乗り出して前の奴と喋ったりとか」
そ、そうだったっけ。
そうだったかも知れないけど、なんで覚えてるの……!