BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
1日中ずっと気になって仕方がなかった事の真相をあっさり告げられ、よくわからない感情に陥る。
わたしを安心させるための言葉だったのに、心がすうっと冷えていく感じがした。
──よく考えれば当然のこと。
他の幹部の人も言っていたように、松葉千広くんが、くじ引きで選ばれたQUEENごときを相手にするわけがない。
例えどれだけ近くにいようと変わらない。千広くんは誰も手が届かない、気高き黒帝のKINGなのだ。
やっぱり、千広くんと一緒にいたくない。
隣の席だった中学時代のよしみで仕方なく連れ出してくれたのだろうけど、
わたしみたいなのが側にいるべきじゃないし。
……というのは、言い訳の一つに過ぎなくて。
これ以上、“あの時”みたいに傷つきたくないから──。
「わがまま言ってごめんなさい。明日からはもう千広くんに迷惑かけない、ちゃんとQUEENのしごと、みたいなのする……」
「しなくていい。お前には向いてない」
「っ、なにそれ」
「“好きな人以外とは絶対しない”って、中学のとき言ってただろ。」