BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
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身を隠して3時間ほどが経過し、陽がだんだんと落ちてきた。
スマホにはヒナタちゃんからの大量のメッセージ。
申し訳ないけど、あとで返そう。
辺りが暗いからもう動いても大丈夫かな。
そう思って立ちあがる。
「よお、久しぶり」
ドッ……!と心臓が跳ねた。
目の前に影がかかった。
相手の足元を見る。
「今月のQUEENは、えらく手間かかる女だな」
足元しか見なかったのにわかってしまった。
高校に入ってから、言葉は一度も交わしていないのに。
わたしの耳は、きちんとその声を覚えていた。
「俺のことわかるか。あやる」
──悲しいくらいに覚えていた。
身を隠して3時間ほどが経過し、陽がだんだんと落ちてきた。
スマホにはヒナタちゃんからの大量のメッセージ。
申し訳ないけど、あとで返そう。
辺りが暗いからもう動いても大丈夫かな。
そう思って立ちあがる。
「よお、久しぶり」
ドッ……!と心臓が跳ねた。
目の前に影がかかった。
相手の足元を見る。
「今月のQUEENは、えらく手間かかる女だな」
足元しか見なかったのにわかってしまった。
高校に入ってから、言葉は一度も交わしていないのに。
わたしの耳は、きちんとその声を覚えていた。
「俺のことわかるか。あやる」
──悲しいくらいに覚えていた。