BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
目を閉じていてもぜんぶ千広くんで支配される。


今回は薬を飲まされたわけじゃないから、意識が落ちるまでの記憶はしっかりある。

そう……触れ方、体温、表情。どれも鮮明に思い出すことができてしまうのだ。


千広くんの唇はやさしかった。

額、頬、首筋。それから、肩に下りて……。


「……っ」


だめだ。少し記憶を辿っただけで、瞬く間に熱がよみがえってきた。

千広くんが触れていた部分がチリチリ、焼けるように熱い。
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